Web性能改善の鍵は“初期描画”にあり-エンジニアA-

社員ブログ 2025.08.12

こんにちは、エンジニアのAです。

近年、GoogleのCore Web Vitalsがサイト評価やSEOに直結する指標として注目されています。中でも2024年に新たに正式採用されたINP(Interaction to Next Paint)は、ユーザーが操作してから画面が反応するまでの体験品質を測る重要なメトリクスです。
そして、このINPや従来のLCP(Largest Contentful Paint)を改善するための最大のカギが、初期描画(Initial Rendering)です。

1. なぜ初期描画が重要なのか

ユーザーはページを開いてから最初の数秒で「快適かどうか」を判断します。

このタイミングで主要なコンテンツが表示されていなければ、離脱率は跳ね上がります。

特にECサイトやLPでは、数百ミリ秒の遅延がコンバージョンに影響するというデータもあります。

2. 初期描画を遅らせる犯人

・JavaScriptの肥大化
 フレームワークやライブラリの読み込みが大きすぎる。
・サーバーからの応答遅延
 APIレスポンスやSSRの処理時間が長い。
・画像・フォントの遅延読み込み不足
 ファーストビューに必要ない要素を先に読み込んでいる。
・レンダリングブロックCSS
 巨大なCSSファイルが初期描画を止めてしまう。

3. 改善のための実践テクニック

a. SSRやSSGの活用
Next.jsやNuxtなどのフレームワークを使えば、初期描画に必要なHTMLをサーバー側で生成して返せます。これにより、ユーザーはJavaScriptが完全に読み込まれる前に主要コンテンツを目にできます。

b. Code Splittingと遅延読み込み
ファーストビューに不要なJavaScriptは分割し、必要なタイミングで読み込む。これにより初期ロード時間を短縮可能。

c. 画像の最適化
WebPやAVIFなどの次世代フォーマットを利用し、必要に応じて<img loading="lazy"><picture>を活用。

d. Critical CSSの抽出
初期描画に必要なスタイルだけをインライン化し、それ以外のCSSは遅延読み込み。

4. 計測と検証のサイクル

改善を行う前に、LighthouseやWebPageTestで現状のボトルネックを可視化することが重要です。計測なしの改善は、効果が出ているかどうか不明なまま工数だけ消費してしまう危険があります。

改善後も同じ環境で再計測し、数値で効果を確認しましょう。

5. マーケティング的視点

初期描画の高速化は単なる技術改善ではなく、ユーザー体験とコンバージョン率向上に直結します。表示が速ければ、広告経由で来たユーザーが離脱する前に価値を伝えられる可能性が高まります。つまり、Web性能改善はマーケ予算を有効活用する施策とも言えます。

まとめ

初期描画の最適化は、見た目や機能の改善よりもROIが高い施策のひとつです。

技術的な工夫と計測の習慣を持つことで、ユーザー体験を底上げし、ビジネス成果にも直結する改善が可能になります。

「最初の一瞬」を軽視せず、日々の開発サイクルに組み込んでいきましょう。

こんにちは、エンジニアのAです。

近年、GoogleのCore Web Vitalsがサイト評価やSEOに直結する指標として注目されています。中でも2024年に新たに正式採用されたINP(Interaction to Next Paint)は、ユーザーが操作してから画面が反応するまでの体験品質を測る重要なメトリクスです。
そして、このINPや従来のLCP(Largest Contentful Paint)を改善するための最大のカギが、初期描画(Initial Rendering)です。

1. なぜ初期描画が重要なのか

ユーザーはページを開いてから最初の数秒で「快適かどうか」を判断します。

このタイミングで主要なコンテンツが表示されていなければ、離脱率は跳ね上がります。

特にECサイトやLPでは、数百ミリ秒の遅延がコンバージョンに影響するというデータもあります。

2. 初期描画を遅らせる犯人

・JavaScriptの肥大化
 フレームワークやライブラリの読み込みが大きすぎる。
・サーバーからの応答遅延
 APIレスポンスやSSRの処理時間が長い。
・画像・フォントの遅延読み込み不足
 ファーストビューに必要ない要素を先に読み込んでいる。
・レンダリングブロックCSS
 巨大なCSSファイルが初期描画を止めてしまう。

3. 改善のための実践テクニック

a. SSRやSSGの活用
Next.jsやNuxtなどのフレームワークを使えば、初期描画に必要なHTMLをサーバー側で生成して返せます。これにより、ユーザーはJavaScriptが完全に読み込まれる前に主要コンテンツを目にできます。

b. Code Splittingと遅延読み込み
ファーストビューに不要なJavaScriptは分割し、必要なタイミングで読み込む。これにより初期ロード時間を短縮可能。

c. 画像の最適化
WebPやAVIFなどの次世代フォーマットを利用し、必要に応じて<img loading="lazy"><picture>を活用。

d. Critical CSSの抽出
初期描画に必要なスタイルだけをインライン化し、それ以外のCSSは遅延読み込み。

4. 計測と検証のサイクル

改善を行う前に、LighthouseやWebPageTestで現状のボトルネックを可視化することが重要です。計測なしの改善は、効果が出ているかどうか不明なまま工数だけ消費してしまう危険があります。

改善後も同じ環境で再計測し、数値で効果を確認しましょう。

5. マーケティング的視点

初期描画の高速化は単なる技術改善ではなく、ユーザー体験とコンバージョン率向上に直結します。表示が速ければ、広告経由で来たユーザーが離脱する前に価値を伝えられる可能性が高まります。つまり、Web性能改善はマーケ予算を有効活用する施策とも言えます。

まとめ

初期描画の最適化は、見た目や機能の改善よりもROIが高い施策のひとつです。

技術的な工夫と計測の習慣を持つことで、ユーザー体験を底上げし、ビジネス成果にも直結する改善が可能になります。

「最初の一瞬」を軽視せず、日々の開発サイクルに組み込んでいきましょう。