AIコード補完時代に必要な“読み解く力”-エンジニアY-

社員ブログ 2025.08.13

こんにちは、エンジニアのYです。

ここ数年で、私たちの開発環境は劇的に変化しました。その象徴ともいえるのが、AIによるコード補完ツールの進化です。GitHub CopilotやCursor、Tabnineなど、エディタに組み込むだけで高度なコード提案をしてくれるツールが一般化しました。今や「関数の骨組みをAIが瞬時に作ってくれる」ことは珍しくありません。
しかし、この便利さには落とし穴があります。

それは、AIが提案したコードを“そのまま信じる”リスクです。

1. AIは「正しそうなコード」を出すだけ

AIは過去の学習データやパターンに基づいて提案を行います。

そのため、見た目には正しそうでも、特定のケースで動かない・パフォーマンスが低い・セキュリティ上の穴があるコードを出すことがあります。

特に非同期処理やエッジケースのハンドリングなど、人間が注意を払うべき部分は苦手なことも多いです。

2. 読み解く力とは何か

ここで必要になるのが読み解く力です。

これは単にコードを読むだけでなく、次のような観点を持つことを意味します。

意図の把握

AIが何を実現しようとしてこのコードを書いたのか。

副作用の検証

予期せぬグローバル変数の変更やAPI呼び出しはないか。

最適化の可能性

より短く、より安全に書ける方法はないか。

セキュリティの確認

SQLインジェクションやXSS対策はされているか。

3. 現場での実例

最近、あるReactプロジェクトでAIが生成したフォームバリデーションコードをレビューしました。見た目には動いていましたが、クライアント側のバリデーションしか行っておらず、サーバー側はスルーという危険な状態でした。

もしそのままリリースしていれば、不正なデータ入力が簡単にできてしまう仕様漏れになっていました。

4. 読み解く力を鍛える方法

 他人のコードレビューを積極的に行う
 AIコードも「他人のコード」として扱い、レビュー練習と捉える。

 既存プロジェクトのバグ修正履歴を読む

 過去にどんな不具合が起き、どう修正されたかを学ぶことで危険なパターンを覚える。

 設計書や仕様書を参照する癖をつける

 コードだけでなく背景を理解することで意図のズレに気づきやすくなる。

5. 最後に

AIは確かに私たちの生産性を飛躍的に高めます。しかし、そのコードの「意味」を理解するのはエンジニアの責任です。これからの時代、コーディングスキルだけでなく「コードを読み解くスキル」がエンジニアの市場価値を決めると言っても過言ではありません。

ツールを使いこなす側であり続けるためにも、日々のレビューや検証を怠らないようにしていきましょう。

こんにちは、エンジニアのYです。

ここ数年で、私たちの開発環境は劇的に変化しました。その象徴ともいえるのが、AIによるコード補完ツールの進化です。GitHub CopilotやCursor、Tabnineなど、エディタに組み込むだけで高度なコード提案をしてくれるツールが一般化しました。今や「関数の骨組みをAIが瞬時に作ってくれる」ことは珍しくありません。
しかし、この便利さには落とし穴があります。

それは、AIが提案したコードを“そのまま信じる”リスクです。

1. AIは「正しそうなコード」を出すだけ

AIは過去の学習データやパターンに基づいて提案を行います。

そのため、見た目には正しそうでも、特定のケースで動かない・パフォーマンスが低い・セキュリティ上の穴があるコードを出すことがあります。

特に非同期処理やエッジケースのハンドリングなど、人間が注意を払うべき部分は苦手なことも多いです。

2. 読み解く力とは何か

ここで必要になるのが読み解く力です。

これは単にコードを読むだけでなく、次のような観点を持つことを意味します。

意図の把握

AIが何を実現しようとしてこのコードを書いたのか。

副作用の検証

予期せぬグローバル変数の変更やAPI呼び出しはないか。

最適化の可能性

より短く、より安全に書ける方法はないか。

セキュリティの確認

SQLインジェクションやXSS対策はされているか。

3. 現場での実例

最近、あるReactプロジェクトでAIが生成したフォームバリデーションコードをレビューしました。見た目には動いていましたが、クライアント側のバリデーションしか行っておらず、サーバー側はスルーという危険な状態でした。

もしそのままリリースしていれば、不正なデータ入力が簡単にできてしまう仕様漏れになっていました。

4. 読み解く力を鍛える方法

 他人のコードレビューを積極的に行う
 AIコードも「他人のコード」として扱い、レビュー練習と捉える。

 既存プロジェクトのバグ修正履歴を読む

 過去にどんな不具合が起き、どう修正されたかを学ぶことで危険なパターンを覚える。

 設計書や仕様書を参照する癖をつける

 コードだけでなく背景を理解することで意図のズレに気づきやすくなる。

5. 最後に

AIは確かに私たちの生産性を飛躍的に高めます。しかし、そのコードの「意味」を理解するのはエンジニアの責任です。これからの時代、コーディングスキルだけでなく「コードを読み解くスキル」がエンジニアの市場価値を決めると言っても過言ではありません。

ツールを使いこなす側であり続けるためにも、日々のレビューや検証を怠らないようにしていきましょう。